まさかの逆周!?の続き。

靴紐を結ぼうとしゃがんだ私の眼に見えたものは・・・・








走り終えた私は程よい疲れでさっきまでの恐怖などまるで忘れていました。


靴紐を縛りながら何気なく眼の前に駐車してあるトラックの陰を見ました。


車体の下側から見える人の足!


コンクリート廃材に腰掛けるその人はなんとッ!





彼でした。




私はまるで蛇に睨まれたカエルの様に身動きが取れません。


やがて彼はゆっくり立ち上がり私の方へ歩み寄ります。



彼は真っ直ぐに私を見つめ、近づきながら


『10キロッ?』


『ね、10キロッ?』


『10キロでしょ?』


・・・・と。



噴き出す汗は走った証かそれとも恐怖の冷や汗か?



彼はさらにこう続けました



『おでも、でんだよッ』




〜?



かかわらない方が無難だと直感で思いました。



私はそう思った事を人として恥ずべきだとも思います。



二言三言会話をし、その場を取り繕い私は家路へ。




ランニング中、すれ違ううちに彼の中で私は身近な存在?になっていたようです。


きっと私と一緒に走りたかったのかも知れません。


同じ大会に出る者として仲間意識があったのかも。


ちょっと変わってはいるが悪い人間ではなさそうだ。


次会った時は一緒に走ってみようか?



そう心のどこかで思っております。




  

前回のつづき・・・まさかの逆周?

私はロックオンされていたのです・・・・。





夕べの走り込み、いつものように私はスタート地点まで約500メートルをウォーミングアップしながら向かい、程よく温まった体でスタート!



始めの約2キロ区間は外灯も疎らで暗い路地裏。


間もなくして何やら聞こえる足音らしき靴音。


明らかに私のリズムとは違うので直ぐに気がつきました。


あっという間に近づく足音と共に聞こえるのはあの荒々しい馬のような呼吸。


私はフォームを崩したくなかったのですが何度か後ろを振り返り姿を確認するも真っ暗な路地裏でその姿は見えず!

約1キロ地点で薄暗い外灯に照らし出された姿を発見!



彼でした。



手の平を真っ直ぐ伸ばしドッドッドッと私を追尾してくるではありませんかッ!



こわいッ。




率直にそう思いました。


いつもは対向車線からすれ違うのにまさかの逆周?でした。


しかし、ランナーの本能でしょうか?私は抜かれたく無いと一心不乱に走りました。



後ろの彼もいっそう荒だたしい呼吸で迫りたてます。


バイト帰りの女子高生の自転車を数台抜き散らし、デッドヒートの末私は勝利しました。


荒々しい呼吸も足音もいつの間にか聞こえなくなっていました。


約2.5キロを守り抜いたのですがオーバーペースだった為に残りの7.5キロはヘロヘロに。


予定の距離を平凡なタイムで走り落胆するもその日の練習が終わったと一安心。
そして一路家路へと。


靴紐を結び直そうとしゃがんだ私の眼に一瞬何かが見えました!



その時私が見たものとはッ?






さて、その続きはまた次回の記事にて